虹色百話~性的マイノリティーへの招待 第33話 同性愛の脱病理化

メンタル

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favicons?domain=www.yomidr.yomiuri.co yomiDr(読売新聞) 2016.02.19 UPDATE

(2016年2月18日 yomiDr(読売新聞)より) 昨年11月末、神奈川県海老名市の鶴指真澄市議(71)が自身のツイッターで、「同性愛者は異常動物」と書き込んで話題になりました。人権侵害との批判が相次ぎ、本人も「不適切だった」「酒に酔っていた」など弁明。とはいえ、10時間後に削除はしたものの、取材には「同性愛は個人の自由だと思うが、基本的には男女の別があるので少しおかしい」と話していました(朝日新聞)。

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長嶺由衣子

千葉大学予防医学センター 環境健康学研究部門 大学院 医学研究院 環境健康科学講座 公衆衛生学 特任研究員 医師

「同性愛」が「犯罪」から「病気」として認定されることとなった1970年代までの時代から、1987年にはアメリカの精神科疾患の診断基準から、1990年にはWHOの診断基準から「同性愛」は削除され、「病気」ではなくなりました。
「犯罪」「病気」の時代は超えたものの、冒頭で紹介された昨年の市議の発言など、次なる課題、「社会的偏見」は無くなっていないという趣旨の記事です。

非常に明快に書かれた引き込まれる記事でした。
マイノリティの方々の社会的偏見の問題を読むと、「偏差値」を思い出します。
「偏差値」がどうやって決まっているかご存知でしょうか?例えば、50点とったから偏差値50, 100点とったから偏差値100とはなっていませんよね。
あれは、非常に簡略化すると、テストを受けた人すべての平均点を偏差値50としてそれより上の人がどのように分布しているか、下の人がどのように分布しているかで数字が決まっていきます。

疫学の分野でも、一般的にまずは「標準」を確認することから始まります。例えば、20-69歳の男性95%の収縮期血圧は110-130mmHgの間におさまる(あくまで例)、それ以上または以下を「異常」と認める必要はあるか、放っておくと本当に疾患リスクはあるのか、などは別途確認が必要です。リスクがあるなら「治療の対象」ですが、なければ、ただの個性。治療する必要など全くありません。

「偏差値」で考えると、「標準」である95%の中ではなく、上2.5%に入ることがいい、つまり、「標準から外れた人」が重宝されます。

例えば今回の「性的マイノリティ」の方々も、自分たちから言わない人たちもたくさんいると思うので正確な数字を知ることは難しいですが、大体人口の4-11%程度と言われています。(http://williamsinstitute.law.ucla.edu/wp-content/uploads/Gates-How-Many-People-LGBT-Apr-2011.pdf

この「差異」を異常とするか、好ましいものとするかは、完全にその社会や時代の価値観に依存するのでしょう。
ちょうど先週は私がいるユニバーシティ・カレッジ・ロンドンでもLGBTQ(性的マイノリティの方々の呼称)ウィークで、大学のど真ん中にレインボーの旗が立っていました。大学として同性愛やトランスジェンダーを「当たり前ですけど、何か?」と主張しているのと同じことだと感じました。

人間は「差異」に着目することでその原因を追求し、科学や歴史を進めてきた部分もあれば、過剰に、感情的に「差異」に反応し、暗い歴史を作ってきた部分もあります。一刻も早く「当たり前」になり、当事者の方々が傷つかない社会になっていきますように。

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